ドーパミン
Dopamine
大物ドーパミン?
当サイトでも緊張のコントロールを神経伝達物質にフォーカスして解説してきました。
理由は・・・
私たちの感情は、脳内の神経伝達物質の微妙なバランスによってコントロールされていると考えられているからです。
ちなみに、3大脳内神経伝達物質には、すでに解説した「ノルアドレナリン」、「セロトニン」ともう一つ最後の大物「ドーパミン」があります。
人類は、この神経伝達物質なしでは今日の繁栄はなし得なかったとも言われています。
当サイトでも、患者さんに歯磨きをしてもらうためのヒントとして「やるきスイッチ」「ゴールの設定」「目的意識の明確化」もドーパミンを分泌なしでは考えられません。
そこでここでのコンテンツでは、ドーパミンについての探求です。
ドーパミンとは?
ヒトのカラダの60~70%は水、20%がタンパク質などのアミノ酸です。 全部で20種類のアミノ酸が10万種類ものタンパク質となり、筋肉や消化管、内臓、髪や皮膚のコラーゲンなど、重要な組織をつくっています。
神経伝達物質もタンパク質から作られます。
ドーパミンは、非必須アミノ酸のチロシンから作られます。
ちなみに、チロシンで有名なのがタケノコで、チロシンは、タケノコの水煮などを切ってみると、中央のヒダの部分に白い固形のモロモロとしたものが入っていることがあります。これがチロシンで、旨味成分でもあり、タケノコ特有のエグ味はこのチロシンが酸化して出来た成分によるものです。また、納豆の白いブツブツしたもの、チーズのパルミジャーノ・レッジャーノのジャリジャリとしたものなどです。
また、チロシンから作られたドーパミンは、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆物質でもあり、運動調節、ホルモン調節、快楽の感情、意欲、学習などに深く関わっていることがわかっています。
チロシンをいっぱい摂取すればするほどドーパミンが分泌されるという訳ではありませんのでご注意を!
幸せとはドーパミンが分泌されている状態
某有名タレントの「幸せって何だっけ」と言うコマーシャルが30年ほど前にありました。リメーク版が10年ほど前に放送されていました。ちなみにオリジナルは「ポン酢しょうゆ」リメーク版は「うまい醤油」です。
脳科学的に考えると、私たちの脳は、ドーパミンが分泌された時に幸せと感じるように出来ています。「幸せ=ドーパミン分泌」なのです。
このコマーシャルは、家族団欒で食べる鍋料理に「ポン酢しょうゆ」を使用することを狙いにしています。このシーンは美味しいものをみんなで共有しているシーンをイメージするので、それをイメージしただけでドーパミンが分泌される訳です。
「ポン酢しょうゆ」=「鍋」=「家族団欒での美味しい食事」=「ドーパミン分泌」=「幸せ」=「キッコーマン」
さらに、CMソングは大ヒットしました。
脳は、ドーパミンが分泌されたことを記憶しやすいシステムがあります・・・
キッコーマンは、人々に「ポン酢醤油」=「幸せ」=「キッコーマン」と言うことを脳にインプットすることに成功したのです。
ちなみに、30年以上経ってもこのCMをご覧になった方は、ほとんどの人が記憶されています。
ドーパミンが分泌される時は?
楽しい時、嬉しい時、目標を達成した時、人に褒められた時、人に愛された時、楽しい計画を立てた時、ワクワクした時、美味しいものを食べた時などです。
自分の好きなことや、したいことをしている時あるいは考えたり、計画を立てているだけでドーパミンが分泌されることがわかっています。
ドーパミンと歯磨き
自分の志望校に入るために塾に通い、年単位で努力を続けている人たちがいます。ちなみにこんなことをするのは人間だけです。他の動物は何かの報酬が得られないと行動をしませんし、年単位で継続的に行動をすることはしません。例えば、肉食獣は獲物を得るために年単位で追い続けることは絶対しません。無報酬で行動をし続けるのは人間だけです。