口腔がん

Oral cancer

某有名タレントの舌がんの報道以来、当サイトの「口腔がん検診」のアクセス数も非常に多く、皆さんの関心の高さが伺えます。

開業医が一生涯で口腔がんの患者さんを診察するのは1症例ぐらいだそうです。一生涯で全く口腔がんの患者さんを診察することがない開業医もいます。ちなみに、主宰者は開業医として23年になりますが今までに1症例だけ口腔がんの患者さんを診察したことがあります。非常に発生頻度は低く、がん全体からすれば約1~3%と低い数値ではありますが、日本では毎年約7,000人が口腔がんになり約3000人が亡くなられています。死亡率としては46.1%(第10位)のガンです。

残念ながら、この数字は年々増え続けています。先進国で口腔がんの死亡率が増えているのは日本だけです。理由は、他の先進国のように口腔がん検診の受診率が高くないからです。ちなみに日本は2%で欧米は80%です。

しかしながら、発生頻度が低いがために口腔がんに関する情報が少ないもの事実です。

一般に口腔にできたがんは、歯科の口腔外科で受診してもらうことになります。とはいえ、口腔外科を標榜している歯科医院はほとんどありません。そこで通常は、歯科医院で発見されて病院の口腔外科を受診して治療する流れになります。

では、口腔に現れる症状から順にご説明します。


目次


口腔がんの症状

口腔がんの場合、初期は自覚症状がほとんどありません。痛みがある、食べ物や飲み物がしみる、違和感がある、首のリンパ節が腫れる、なかなか口内炎が治らない、といった症状が出てきたときは、すでにがんが進行している状態になっています。

しかし、口腔がんは、内臓にできるがんと違い、自分で確認することが可能です。

目に見える症状

自覚症状

がんの治療は、早期発見、早期治療が基本です。そこで、日頃の口腔内をセルフチェックすることで早期に発見することが可能になります。

では、セルフチェックの方法についてご説明します。


セルフチェックの仕方

①唇・歯肉 

歯を軽く噛み合わせ上と下の唇を軽く指でもち、唇の内側を観察、そのまま前歯の歯肉もチェックしてください。

②頬・歯肉

口を開けて、頬を指で少し引っ張り、上下の奥の歯肉と頬の内側を見て触ってチェックしてください。

③歯肉の内側

歯肉の内側もチェックしてください。

④口蓋

頭を後ろにそらして口蓋をチェックし、指で触れてシコリや腫れ、色の変わった部位がないかチェックしてください。

⑤舌

舌を前に出し、舌の表面と左右の側面をチェックします。ガーゼ等で舌を優しく挟んでそっと引っ張ってください。色や形、引きつり、治らない傷がないかチェックしてください。

⑥舌の裏側

舌の裏側と下の歯肉の間の粘膜を見て触ってチェックしてください。

⑦リンパ節

首の顎の下あたりにコブ状のものがないか触ってチェックしてください。

もし、チェックして問題があった場合の見分けるポイントについてご説明します。

見分け方

口腔内をチェックして何か異常があったら次の項目をチェックしてください。

①色

赤とか白くなっていないか?出血はしていないか?

②形

隆起していないか?陥没していないか?

③硬さ

硬結していないか?シコリはないか?

見分けるポイントは3つですが、

もう一つ大事なことがあります。それは2週間経過して改善してきているか?ということです。

⭐️期間(2週間経過して改善しているか)

特に口内炎が2週間しても改善しない場合は要注意です

どれかが該当した場合は問題ありです。至急、歯科医院を受診してください。決して自己判断はせず、何か問題がある場合は必ず歯科医院を受診してください。

口腔ガンは自分で見ることができますので参考のために実際にガンであった症例をご覧ください。

千葉県歯科医師会で発行したがんの冊子「知っていますか?あなたの口の中にもがんができることを!!」にも画像があるのでご覧ください。冊子のPDFこちら

ところで口腔がんになるには原因があります。次に原因についてご説明します。


口腔がんの原因

口腔がんの原因になるものとして下記に列挙したものがあります。



レッド&ホワイトリボン

乳がん検診の早期受診を啓発するシンボルとして「ピンクリボン」というものがあるのは有名ですが、口腔がんにも同様なものがあります。それは「レッド&ホワイトリボン」です。

口腔がんと判別するうえで見分ける3つのポイントの一つである炎症部分の赤い部分白の部分が混在するところがあるのを覚えていますか?この部分は特に注意が必要とされています。炎症部分が隆起しているものや、しこりのような硬さのあるものは受診が必要となります。そのような目印の一つとして認識してもらうためにも、赤と白のリボンになったとのことです。

口腔がんの撲滅運動に賛同する歯科医院やドクターがこの赤と白のリボンを掲げています。


千葉市歯科医師会の取り組み

千葉市では、口腔がんの早期発見・早期治療を図るため、40歳以上の方を対象に口腔がん検診を実施しています。
:市内在住の40歳以上の方
検診期間:平成30年6月11日(月曜日)~平成31年1月31日(木曜日)
定員:2,000名(定員になり次第受付を終了します。)
実施場所:市内協力歯科医療機関
検診費用:500円
検診内容:問診、視診、触診
*咽頭がんは含まれていません。気になる症状がある方は医療機関にご相談ください。

本年度は検診期間が終了しましたが、平成31年3月1日から3月23日まで追加検診することになりました。


まとめ

口腔がんの原因の確認(因子はないか?)

セルフチェックをしてください

定期的な歯科医院での受診

口腔がん検診をする

食事を美味しく食べたり、会話ができるのは、健康な口腔内環境によるところは非常に大きいと思われます。なかなか治らない口内炎、放置している虫歯、不適合な入れ歯、喫煙、お酒…思い当たるものはありませんか?

口腔がんは、発症率は低いとはいえ発見が遅れると術後のQOLが著しく悪くなってしまいます。半年に一度は歯医者さんに行って口腔内検診をしてもらうことをお勧めします。また、原因となるものがある場合は、痛くなってから歯科医院に行くのではなく、予防的に歯医者さんに行って治療してください。

*QOLとはQuality of lifeの略したもので「生活の質」「生命の質」などと訳され、患者様の身体的な苦痛の軽減、精神的、社会的活動を含めた総合的な活力、生きがい、満足度という意味が含まれます。がんの治療を受けている患者様は、病気の進行に伴う食欲不振、貧血、呼吸困難、むくみ、痛みなどといった不快な症状に加え、抗がん剤による吐き気、脱毛、白血球の減少や、手術を受けたあとの機能低下・損失といった副作用に悩むことがあります。その中でも、いかに自分らしい生活をするかといった点に着目してその質を高めることをQOLの向上といいます。


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