マスク着用による予防効果について
Preventive effects of wearing a mask
Ani Kolleshi昨日、2月29日に安倍内閣総理大臣より国民に向けて発表がありました。賛否についてはいろいろありますが、政府も前例のないことでもあり対応に四苦八苦というところでしょうか?
私たち、国民も一人一人ができることを最大限するしかありません。
そこで、今日のブログは、感染予防の一つとして考えられている「マスクについて」フォーカスしてみました。
巷では、マスクが入手することが困難にも関わらず、ほとんどの人がマスクをしています。どこで入手しているのか?不思議でなりません?
それはさておき、まず、マスクとは?の話から始めます。
マスクとは?
Fernand De Canne辞書を引いてみると、人体のうち顔の一部または全体に被るもの、または覆うものを指す。頭部まで覆うものを含めることもある。広義では体の他の部分を覆うものもそのように称することがある。
と記述されています。ちなみに、英語ではmaskです。
そこで、今回はサージカルマスクの狭義に限定してみました。
日本には医療用マスクの規格はない!
実は、日本には医療用マスクの規格はありません。
ちなみに、米国の医療用マスク規格ASTM(米国試験材料協会)を採用しています。マスクの入ってる箱もしくは袋のどこかに必ず表記してありますので、意識してご覧になってください。
医療現場では湿性生体物質などの液体防御機能が、マスク防護具として機能が求められています。
概ね、どこの医療機関でも図1に示した様にレベル1からレベル3のものを使用しています。市販されているマスクも同様です。
医療関係者の共通認識
医療関係機関では、感染予防は、スタンダードプリコーションに従って行われています。
ちなみに、これは、1996年にアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)が発行した隔離予防策ガイドラインにより提唱された「感染症の有無に関わらず全ての患者に適用する疾患非特異的な予防策」のことを言います。
簡単に言うと・・・
感染しているか?感染していないのか?わからないので全ての患者さんに使用したもの等を消毒・滅菌して適切に処理して感染しない様にしなさいと教えてくれているガイドラインです。
つまりスタンダードプリコーションは感染予防の金科玉条なのです。
水戸黄門の印籠のごとく全世界の医療機関がひれ伏して従うのもちゃんとした理由があります。それは世界中のデータに基づいてエビデンスがあるからです。
CDCは、マスクに関しては、エビデンスが無いので予防に関しては予防効果は?としています。
したがって、医療関係者は、マスクに関する予防効果は微妙という共通認識だと思います。
そこで、パンデミックが起きた際のCDCが推奨しているマスクの使用について見てみました。(資料こちら)
CDCのマスクについて(パンデミック時)
症状がある場合のマスクの使用
CDCは、混雑したコミュニティ設定が避けられない場合(例:インフルエンザ症状のある成人および小児が医療処置を求める場合)または病気の場合、重症、極度、または極度のインフルエンザのパンデミック中のソースコントロール手段として、病気の人によるフェイスマスクの使用を推奨する場合があります。 人は他の人と密接に接触している(例えば、症候性の人が他の家族と共通のスペースを共有している場合、または症候性の産後の女性が乳児の世話をし、看護している場合) いくつかのエビデンスは、病気の人によるフェイスマスクの使用が他の人を感染から保護するかもしれないことを示しています。
感染している人がすると、感染していない人に感染させないかもということです。(咳エチケット等がこの行為)
症状が無い場合のマスクの使用
CDCは、特別な高リスク状況を除き、インフルエンザの大流行中の感染を回避する手段として、家庭やその他の地域社会で健康な人によるフェイスマスクの使用を日常的に推奨していません。 たとえば、重度のパンデミックでは、特にパンデミックワクチンが利用できない場合、混雑した状況を避けることができない場合、妊婦やインフルエンザ合併症のリスクが高い他の人がフェイスマスクを使用することがあります。 さらに、自宅で病気の家族の世話をする人(例:インフルエンザの症状を示す子供の親)は、医療従事者が医療設定でマスクを着用するように、患者と密接に接触している場合、感染を避けるためにフェイスマスクを使用する場合があります。
と記述しています。
正しいマスクの使い方をしているのか?
仮に、サージカルマスクにウイルス遮断能力があったとすれば、ウイルスは、直接、口腔内に入ることはありませんが、マスクの表面にはウイルスが付着していることになります。そこで、マスクの表面を手で触ればウイルスは手に付着することになります。その手で汚染されていない部位を触ってしまえばその部位まで汚染されてしまいます。つまり予防しているのでなく感染を拡散してしまうことになってしまいます。
いうまでもありませんが、マスクの使い回しはNGです。
マスクは手洗いと併用で
CDCは、マスクの使用は手洗いと併用して使用することを推奨しています。感染対策の基本は、「手指の消毒」なのです。
事実、医療の現場では感染を拡大させないために、WHOの5 momentsを採用して行われています。
医療関係者が感染しにくいのは、「適切な手指消毒」を行なっているのも理由かもしれません。
手洗いのタイミングは?
外出から戻った時
多くの人が触ったと思われる場所を触った時
咳、くしゃみ、鼻をかんだ後
症状のある人の看病、お世話をした後
料理を作る前
食事の前
排泄物を取り扱った後
トイレに行った後
普段の生活で行なっているタイミングです。ただし「正しい手洗いの方法」が重要です。
市民向け感染予防ガイドブック
2月25日の情報を基に市民向け感染予防ハンドブックが出されましたのでご覧ください。
まとめ
マスクの予防効果は微妙
マスクは咳エチケットとして使用
マスクは正しく使わないと逆に感染源
マスクは手指消毒と併用で
関連事項
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外部リンク
首相官邸ホームページ:安倍内閣総理大臣記者会見
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
日本感染症学会:新型コロナウイルス感染症
国立感染症研究所:新型コロナウイルス(2019-nCoV)関連情報について
日本産婦人科感染学会:新型コロナウイルス感染症について
CDC:About 2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV)
WHO:Novel Coronavirus(2019-nCoV)