1、健診予約
・健診希望者は協力歯科医院に連絡してください。
・実施期間内の希望日時を決定してください。
6月の声を聞くと、一般の人は梅雨をイメージします。ちなみに、今年の関東地方の梅雨入りは、ちょっと遅めで、6月12日ごろの様です。
ところが、歯科関係者は、6月4日から始まる「歯と口の健康週間」をイメージします。これは元々、「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「むし歯予防デー」として実施が始まったものです。
呼称は、色々な変遷を経て、現在では「歯と口の健康週間」と呼称されています。さらに、歯や口腔の健康を維持することは、全身の健康を維持することになるということが国民に認知されつつあります。
そんな中、5月30日に、政府から、全ての国民に毎年の歯科健診を義務づける「国民皆歯科健診」の導入を骨太方針に導入することを検討しているとのアナウンスがありました。
最近は、歯周病の予防が他の病気(誤嚥性肺炎、心臓病、糖尿病、脳梗塞、早産)の予防につながることが、国民に認知されつつあります。歯科の健診を行うことが結果的に医療費の削減になるのではないかというところを狙った作戦ではないでしょうか?
現行でも歯科健診が行われています。都道府県により異なりますのでお住まいの都道府県の歯科医師会等にコンタクトをとって確認してください。
ちなみに、千葉県では、千葉県歯科医師会の委託事業として協力歯科医院において歯科口腔健康診査が行えますが、健康保険組合により健診期間が異なりますのでご注意ください。
平成13年(2001)から自民党政権下で政府が毎年発表する、経済財政に関する基本方針の通称(民主党政権下の平成22~24年は中断)。正式名称は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(平成19年以降は「経済財政改革の基本方針」)。経済財政諮問会議の答申を受け、6~7月に閣議決定を経て策定される。予算編成過程を財務省(旧大蔵省)主導から内閣主導に転換する役割を果たした。
デジタル大辞泉より
健診をご希望の方は、下記一覧より、健診期間内にお近くの歯科医院にて健診をしてください。(健診期間以外では行えませんのでご注意ください)
窓口の支払いはありません。
・健診希望者は協力歯科医院に連絡してください。
・実施期間内の希望日時を決定してください。
「被保険者証」「受診券または受診票」
「歯科口腔健康審査票」(お持ちの方のみ)
を持参して提示してください。
問診が行われます。
歯の状態
歯周病の状態
その他の所見
口腔機能検査
健診の結果、治療をする場合は、検診をおこないます。この場合は、自己負担金が生じます。
健診は、自己負担金はありませんが、もし治療が必要になった場合は、検診を行い、料金が発生します。
2つのビデオを見て頂くと、それぞれのテレビ局によってテロップに出てくる「ケンシン」の漢字が、「健診」と「検診」と違います。漢字が違うので当然意味も異なります。
ちなみに、
「健診」とは、健康状態を調べることです。英語では、Check up で表現します。現在は異常はないが、予防的に検査する場合に用います。
「検診」は、検査することを目的にしています。したがって、ガン検診や、歯科検診など、特定の臓器を検査することを目的とした場合の検査を表しています。
英語では、Examinationで表現します。問題があるので、それを調べるために検査するニュアンスです。
日本語も英語と同じニュアンスで、「健診」で問題があれば「検診」するといった流れです。
ちなみに、自民党の骨太の方針には、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)と記述してあります。
「検診」でなく「健診」ですねぇ😃
現在は、「1歳半」、「3歳児」、「学校に通う子ども」が受診義務の対象になっています。さらに、歯に有害な業務に従事している労働者(安全衛生法施行令22条3項に定められた業務をおこなっている者)は受診をしなければなりません。あと、節目健診といって40歳から10年に1度、健診を行っていますが、現状の受診率は高くありません。
ここからは、歯科医師の肌感としての恣意的な意見ですが・・・
大学生から健診を行わなくなり、その後、症状が出るまで歯科医院を受診しない人がほとんどの様に思われます。症状が出て受診した時は、ちょっと微妙な状態になってしまっている場合が多々見受けられます。この辺りに、歯科健診義務化の答えがありそうですねぇ?
義務化の目的は、医療費削減といわれています。
ちなみに、ウクライナ問題で増額された軍事費が11兆円、医療費はなんと44兆円で過去最高額を更新しました。少子高齢化がこれからも進んでいくことを考えると、医療費の削減は急務といわれています。
そんな中、2021年にサンスターから20才から74才の労働者約25万人の定期健康診断結果と医療機関の診療情報により歯の本数、かみ合わせと、医科医療費の関係のエビデンスが発表されました。
「歯の本数が多いほど医科医療費が低い」
「上下の歯が揃い、かみ合わせが良好なほど医科医療費が低い」
A分類:左・右の小臼歯部と大臼歯部の4領域全てで上下の歯がかみ合う良好な状態、A1:欠損歯なし、A2:上の歯か下の歯のどちらかで欠損歯あり、A3:上下とも欠損歯あり、B分類:上下の歯でかみ合う領域が3領域以下、C分類:上下の歯でかみ合う領域がない
「歯の本数が同程度でも上下の歯がかみ合う領域が多いほうが医科医療費は低い」
つまり、なるべく多くの歯を残し、上下の歯でかめる状態を保持することが医療費抑制と健康維持に重要であることが示されたからです。
詳しくはこちら
日本がこれから迎える超高齢社会において、若い時から口腔の健康に十分気を配り、日常的な口腔ケアと定期的な歯科検診の受診をする事により、歯の喪失を防ぎ、良好なかみ合わせを維持することが全身の健康を維持することになり、さらにこのことは医療費の抑制にもつながると考えられています。
6月は、歯と口の健康週間など歯の健診が始まる季節です。
この機会に是非、歯の健診あるいは検診をしてみたら如何でしょうか?
歯周病とアルツハイマー型認知症本日のお話は、歯周病と認知症についてです。歯周病と認知症は関 ...
日本人の80%以上の方が歯周病に罹患しているといわれています。歯周病の怖いところは、初期の ...