「マスク」と「手洗い」と「うがい」について

About masks, hand washing and gargling

コロナ禍の予防としての3種の神器の「マスク」「手洗い」「うがい」は、日本人には当たり前のように思われますが、外国に目を向けるとそうでもなさそうです。

TVの放送でもご承知のように、トランプ大統領のマスクをしている姿は見る事ができませんでしたが、7月11日に初めてマスクをして病院を訪問した事がニュースになって放送されてました。

よく見てみると大統領の紋章が付いたネイビーブルーのマスクを着用していました。公の場でマスクを選挙戦略でしたのかもしれませんが、それにしてもするのが遅すぎの感はあります。それに比べ、安倍首相は、アベノマスクとして揶揄されましたが、首相自らマスクをして予防としてのマスクの重要性をアピールしていた点は、政策の良否は別として、感染を拡大させないと言う観点から考えると称賛に値します。

どうして欧米人はマスクをしないのか?

欧米人は、マスクをすることは口元を隠すことになるので極端にこの行為を嫌います。

理由は、

欧米人は、口元で相手の感情を判断する文化だからです。ちなみに日本人は、「目は口程にものをいう」とか「睨みを利かす」とか目で相手の感情を判断する文化です。このことに関して面白い文献もいくつかあります。1)2)4)

私たち日本人は、口元を隠す、マスクに抵抗はありませんが、欧米人にしてみれば、口元を隠すことは、大袈裟に言えば生死を分けることになります。

元々、欧米では、マスクをする人は、悪人か病人がするものだからです。アメリカを例にしてみると日本とは違い銃社会なので、マスクをしていれば悪人と見做され銃で撃たれる可能性があり、また、これは、実際にあったことですが、マスクをしてくださいとお願いしただけで銃で撃たれてしまう社会なのです。

日本では考えられないことです。

欧米社会では、よほどの事がないとマスクをしないのかもしれません。

逆に、日本人は、他人と違うことを極端に嫌います。他人と同じだと安心するそうです。それ故に、他人の行動にアンテナをはるそうです。2)3)

どちらが良いのでしょうか?

それぞれ良いところがあるのでしょう?

手洗いをしない外国人

2013年に行われた有名な研究があります。

この研究は、公衆トイレの3,749人の観察に基づいており、Journal of Environmental Healthに掲載されています。5)

我々、日本人は、帰宅したら、食事の前、トイレの後は、手洗いをすることを親から教えられて育ってきますが、外国ではどうやらそうではなさそうです。

この研究では、トイレを使用した人の5%だけが、感染症の原因となる細菌を殺すのに十分な時間で手を洗ったことがわかりました。

逆に言えば、95%の人がトイレを使用した後、手を洗わないということになります。

これだけが原因とは言いませんが、もしこの実験結果だとしたら新型コロナの発生率が日本とは比べ桁が違う事が頷けます。

握手やスキンシップをする文化なのに、ちょっと考えてしまいますねぇ?

新型コロナによって、手洗いも以前に比べると、行う様になったと思いたいところです。

なんと5%しか正しく洗えていない!

これに関して、ビデオも作成されているので興味のある方はご覧ください。

題名は、ちょっとショッキングで「たった5%の人しか正しく手洗いができていない」というものです。

うがいについて

ご存知のように、うがいの習慣は、日本だけです。

ちなみにうがいは英語では、「gargle」と綴ります。ガラガラするときに使う様です。また、「mouth wash」はクチュクチュするときに使う様です。このワードは、どちらかと言えば歯磨きやデンタルフロスをした後に使う様です。

うがいは、日本だけの習慣なので、うがいに関する文献は、日本のものしか見当たりません。ところで、うがいは、効果があるのかという話ですが、昔は、学校で休み時間にうがいをさせられたものですが、京都大学の川村先生の論文6)が出てからは学校でうがいはしなくなってしまいました。

最近ではコロナが唾液で感染するという事がわかり尚更しなくなりましたが、当然、歯磨きもしなくなってしまいましたのでカリエス(むし歯)になるのではないかと懸念されます。

ちなみに、実験結果ですが、「水でうがい」をした方が、「イソジンでうがい」をするより風邪にかからなかったという結果になりました。

この実験結果から、予防としてのうがいは、水によるうがいが効果があり、イソジンはいまいちだから水でのうがいで大丈夫ということになりました。

うがい薬がなくても、簡単にできるので予防をする側としては、有り難い次第です。

ちなみに、うがい薬を使うと正常な菌まで無くしてしまうのではという考察になっています。そこで現在では、風邪を引く前の予防は、「水うがい」で、風邪を引いたら「うがい薬」を使用するという見解になっています。

まとめ

最近、新型コロナの感染者がまた右肩上がりに不気味に増加しはじめています。

WHOは、10日、スイスのジュネーブの本部で開いた記者会見で、「混み合っていて、換気が十分にできておらず人々が長時間過ごしている場所で、エアロゾル化した微粒子が浮遊する可能性がある」とし、飛沫より小さい粒子でも感染する可能性は除外できないとしました。

ちなみに、日本政府は、当初から3密はよくないとしていましたので、今更の感はありますが・・・

マスク」「手洗い」「うがい」を再認識して、予防する様に心掛けたいものです。


参考文献

1)Yuki, Masaki, William W. Maddux, and Takahiko Masuda. “Are the windows to the soul the same in the East and West? Cultural differences in using the eyes and mouth as cues to recognize emotions in Japan and the United States.” Journal of Experimental Social Psychology 43.2 (2007): 303-311.

2)Masuda, Takahiko, et al. “Placing the face in context: cultural differences in the perception of facial emotion.” Journal of personality and social psychology 94.3 (2008): 365.

3)田畑和彦, and 塚本博之. “日本人の他者依拠性とその一淵源としての宗教:「関係体」 としての日本人考.” 静岡産業大学情報学部研究紀要 8 (2006): 53-87.

4)Siegel, Daniel J. The developing mind: How relationships and the brain interact to shape who we are. Guilford Press, 2020.

5)Borchgrevink, Carl P., JaeMin Cha, and SeungHyun Kim. “Hand washing practices in a college town environment.” Journal of environmental health 75.8 (2013): 18-25.

6)Satomura, Kazunari, et al. “Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial.” American journal of preventive medicine 29.4 (2005): 302-307.


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