特定ミュータンス菌は脳出血と関係している
specific mutans bacteria and cerebral hemorrha
脳出血は、塩分摂取量が多くて高血圧との関連性があることはすでに認知されている情報でしたが、特定のミュータンス菌(コラーゲン結合性タンパク質を菌体表層にもつミュータンス菌株)が脳出血と関係していると2016年に衝撃的な発表がなされました。
遡ること今から15年前の2004年にこの特定ミュータンス菌が佐藤裕博士によって発見されました。特定のミュータンス菌のCnm遺伝子が作り出す菌体表層のコラーゲン結合性タンパク質の病原性に関して発表しました。
このコラーゲン結合性タンパク質は、血管の傷口に集まって炎症反応を起こし止血作用を阻害して出血させることがわかりました。
大阪大学と浜松医大の共同研究で、脳出血患者は、Cnmを有するミュータンス菌の感染率が、健常者の感染率に比べ約4倍も高いことを発表しました。
S.mutans菌は日本人の60~70%が保菌しています。S.mutans菌のうち「コラーゲン結合タンパク質」を持っている菌は、日本人の約8%が持ち、脳出血の患者では約30%が保菌しています。
現在これらの関係を調査するために大きなプロジェクトが進行中です。
国立循環器病研究センター(略称:国循)脳神経内科の猪原匡史部長、齊藤聡医師、大阪大学大学院歯学研究科の仲野和彦教授、広島大学大学院医歯薬保健学研究科の細見直永准教授らの研究チームは、Cnmとよばれるコラーゲン結合タンパクを菌体の表層に発現するS.mutans菌と脳卒中・認知機能障害との関連を検証する多施設共同研究を2018年11月1日より開始しました。う蝕・歯周病と脳卒中に関する多施設共同研究は世界で初めての試みです。
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まとめ
特定のS.mutans菌が脳出血と関与
世界初の多施設共同研究のプロジェクト進行中
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追記
今回の投稿で引用した写真について
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