4月の診療予定のお知らせ
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Photo by JJ Ying on Unsplash4月は暦通りの診療になります。なお4月28日(木)は診療いたします。
一年前を振り返ると「緊急事態宣言」や「ワクチン接種に期待」というワードが見られました。
現在は、「まん延防止」「3回目のワクチン接種」「乳幼児にマスク」、「5歳から11歳までのワクチン接種」さらに、地政学的には「ウクライナ侵攻」「核戦争」など一年前に比べるとコロナとは違う何なら不気味なワードが囁かれています。
新型コロナに関しては、当初の武漢型から度重なる変異を繰り返し、現在ではオミクロン株の「BA・1」が主流を占めるようになり、感染力が強いステルスオミクロン「BA・2」の感染拡大が懸念されています。
さらに、「デルタ株」と「オミクロン株」の組み合わさった新たな変異株「デルタクロン株」が出現したようでWHOが調査中の様です。
また、ウクライナ問題は、なかなか終息せず、多方面に影響を及ぼし始めました。歯科診療にも火の粉が降りかかってきてしまいました。
今日は、ウクライナ問題が歯科に及ぼす影響についてフォーカスしてみました。
ウクライナ情勢は歯科にも影響が・・・
ウクライナへのロシアの侵攻により、NATO・西側諸国や日本も対抗処置としてロシアに経済制裁を行うことになりました。
この経済制裁が歯科治療に大きく関与することになってしまいました。
「中東には石油があり、中国にはレアアースがあり、ロシアにはレアメタルがある」でしょうか?
ロシアは、国の面積が世界一の国です。面積が広い故に資源大国でもあります。石油や天然ガスは有名ですが、実は歯科で使用している銀歯のパラジウム、インプラントの材料のチタンという金属はロシアにお世話になっているのです。
どちらの金属も、ロシアが産出国なのです。
ちなみに、ロシアのパラジウムは世界の産出の約40%をしめています。
パラジウムは、自動車の排気ガス中の有害物質を取り除くための触媒として使われていて、有害物質である炭化水素、一酸化炭素をパラジウムを触媒に使うことで、炭化水素を水に、一酸化炭素を二酸化炭素に変換しています。さらに、歯科の銀歯やジュエリーに使用されています。
チタンは主要産出国が中国やオーストラリアなのでロシアの産出量は多くないので問題はなさそうですが、チタンの加工技術に関しては飛行機の部品を作るのに関与しているので問題があるようです。
日本の飛行機会社はアメリカのボーイング社製を使用しています。アメリカは、ロシアのチタンに依存していないのであまり問題はなさそうです。
これからの世界は、しばらくの間「ロシア抜きの世界」になることが予想されます。当然、ロシアからのパラジウムの輸入は無くなると考えるのが妥当です。
これからは、資源供給が今までよりは細ることや、物価が上昇するインフレーションの時代がしばらく続くことが予想されます。さらに、小さい時に経験した石油ショックの時と同様な最悪なスタグフレーションが起こるのではないかとささやかれ始めました。
物価高は「相対的な通貨安」といわれます。その通貨安が「代替通貨」としての金の値上がりを起こすといわれています。
インフレには、コモディティといわれるように、実物資産の人気が出ます。従って、パラジウムも投機筋の介入により価格の上昇が起こると考えるのが妥当です。
プーチン政権が継続するのかあるいはロシアが崩壊するのか、しばらくの間は、混乱状態が避けられません。当然パラジウムの価格も不安定な状態が継続しそうです。
歯科の診療には、このパラジウムを使用した金銀パラジウム合金が使用されています。荻生田経産相は、パラジウムの一定の在庫はあり、さらに、ロシア以外からの調達の可能もあることから現時点では影響はないと発言していますが・・・
現場ではパラジウムの価格の高騰により、診療にも影響が出始めています。ウクライナ情勢が落ち着いてもすぐに経済制裁は終わることはないため、パラジウムの安定供給することは難しいと思われます。
プーチン大統領のご乱心によって始まったウクライナ侵攻ですが、各方面に深刻な影響を与えています。ウクライナ情勢については1日も早い終息を願うばかりです。
パラジウムについて
パラジウムは白金族元素の一つで、単体は銀白色の金属のレアメタルです。原子番号46の元素、元素記号はPdです。1803年にイギリスの化学者のウイリアム・ウォラストンによって発見されました。「パラジウム」の名前の由来は、前年に発見された惑星パラス にちなんで「パラジウム:palladium」と呼ばれるようになりました。
金属の中で融点が比較的低いので加工しやすいため使用されています。歯科の銀歯やジュエリーで使用されています。人体にアレルギー性があるのであまりお勧めではありません。
パラジウム産出国
白金族金属は、パラジウム、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウムの6つの類似した遷移元素です。それぞれが互いに似通った物理的及び化学的な特性を持ち合わせており同じ鉱床で見つかることが多いといわれています。
一般に、パラジウムの埋蔵量や生産量は白金に依存しているといわれています。さらに、供給は、ロシア約40%と南アフリカ約40%で両国に依存しています。
レアメタルについて
「レアメタル」は、日本独自の用語です。英語圏では “minor metal” といいます。英語圏における “rare metal” は希土類元素 (rare earth) と同義です。ちなみにレアメタルの反対語はコモンメタルあるいはベースメタルと呼ばれます。
実は、レアメタルは、明確な定義はありません。
地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要で、産業に利用されるケースが多い希少な非鉄金属をいいます。
したがって、パラジウムをレアメタルとして扱っている場合も散見できます。
歯科用12%金銀パラジウム合金
12%金パラ・金パラ(12%金銀パラジウム合金)とは、歯の詰め物(インレー)や、かぶせ物(クラウン)によく使われる保険適用の歯科金属の一つで俗称として「パラ」「金パラ」「キンパラ」「銀パラ」「12%金パラ」「歯科用パラジウム」「金パラジウム」とも呼ばれたりもしますが、正式には「歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金」となります。金パラ製品の組成・成分としては、金12%、パラジウム20%、とJIS規格(JIS適合品)で定められており、銀50%前後、銅20%前後、その他インジウムなど数%が含まれています
FUJIDENTAL
保険適用の歯科用金属である金パラの組成は、金が12%、パラジウムが20%、銀が50%、銅が20%含まれています。金属の値上がりやウクライナ問題でロシアからパラジウムの供給がなくなり高騰しています。
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