感染対策の基本

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感染とは?(What is an infection?)

生物の体内もしくは表面に、より体積の小さい微生物等の病原体が寄生し、増殖するようになる事。また、侵入等のその過程。 それによっておこる疾患を感染症といいます。

簡単に言うと、「病原体が体内に侵入して、病気がうつること

感染の要因(Factors of infection)

図1

感染の要因とは・・・

図1に示すように、感染は、「感染源」・「感染経路」・「宿主」この3つの要因がないと起こりません。逆に言えば、1つでもファクターが足りないと起こることはないのです。

感染源(infection source)

図2

感染源とは・・・

病原体に感染した人(感染者)・動物・昆虫や、病原体で汚染された物や食品が感染源となります。具体的には、感染者や感染動物などからの排泄物・嘔吐物・血液・体液など、保菌者(キャリア)や感染動物が触れた物や食品などです。感染の対策方法としては、感染源を隔離したり、消毒することなどが、有効な方法です。

英語では、「Infection source」あるいは「Source of infection」と言われ、感染対策をすることを「Infection control」と言います。

感染経路(infection route)

図3

感染経路とは・・・

感染を生じた個体や環境中に存在する病原体が、未感染の個体に到達して新たに感染を起こす経路をいいいます。簡単に言えば「どこから」「どのように」と言うことです。

ちなみに。英語では「infection route」です。

感染経路は、図2に示すように、「空気感染」・「接触感染」・「飛沫感染」・「媒介物感染」があると言われています。

宿主(host)

寄生生物に寄生される側の動物や植物のことを言います。

英語では「host」です。

例えば、インフルエンザウイルスに感染する人間は、宿主と言うことになります。

病原体により宿主に寄生する方法が違います。

感染対策(Infection control)

図4

病原体によって、感染の仕方は様々ですが・・・

人類は、手を使って様々なものを創造してきました。また、手は人間にとって、非常に大切な道具と言えるかもしれません。

感染を考えると、この便利な道具の手が感染を伝染させる厄介な道具になってしまっています。

理由は簡単で、手はなんでも触れるし、いろいろな場所でものを触るということに関して他人と共有することができてしまうからです。

言い方を変えると、他人が触ったものを触ることができてしまうということ、さらに、自分が触ったものをまた違う他人が触るということが起きてしまうからです。

もし、病原体が手に付着していたとしたら、触れたものが病原体に汚染されててしまうのです。

余談ですが、マスクも適切に取り扱わないと逆に感染を拡大してしまうものになってしまうと言うことです。

情報を共有することは、非常に大事ですが、病原体の共有はNGです

このスパイラルを断ち切るためには

「手指の手洗い」が超大事

実際、医療関係では感染対策の基本は、手指の手洗いとしてのワンランク上の「衛生的手洗い」を行なっています。この基本的な行動で感染が広がることを予防できると言われています。

感染対策の基本は「正しい手洗い」

なぜ手洗いは効果があるのか?(Why is hand washing effective?)

図5

どうして手洗いは効果があるのか・・・

理由は説明するまでもありませんが、手洗いすることによって付着している病原体を少なくすることができるからです。

図5に手洗い方法による残存ウイルス数について示します。1)

正しい手洗いをすれば、手に付着している菌やウイルス等を少なくすることが可能です。

少なくても流水で15秒以上手洗いするようにしてください。それだけで手に付着しているウイルス等は1/100に減少します。

CDCはハッピバースデーの歌を2回歌う時間の20秒を推奨しています。

手洗いの方法を変えるとさらに減少します。

さらに、洗い残しがある部位について注意して洗うことが重要です。

手洗い時に注意する部位(Parts to be careful when washing your hands)

図6

洗い残しの部位は、図6に示す様に手背(back of hand)と手掌(palm of hand)によって洗い残しの部分がわかっているので、この部位を洗う様にしてください。

図7

前提知識はこのぐらいで十分です。

手洗いのビデオ(Hand wash video)

CDCや様々なデータを参考にオリジナルな手洗いの方法を考案して実施しています。アルコールによるラビング法をしなくてもほとんど問題ないと思われます。(手指衛生に関してはこちら)

当院での実際の手洗いの方法をビデオでご覧ください。

ビデオで手洗いの方法をマスターすることがクリアできたら次に意識しなければならないことがあります。

それは、顔を触ったり、目を触ったりする無意識の行動です。

人間の無意識の習慣(Human unconscious habits)

病原体のウイルスが口や鼻などの粘膜から体内に入ってくることで発病するので、手で顔を触る回数が増えれば感染する可能性が高くなるからです。

ちなみに、人間は1時間に平均23回顔を触るといわれています。2)

また、自分の顔に触れることでストレスを軽減し、記憶を形成するのに役立つらしく3)、顔を触ることは人間関係を構築する手段の一つであるため、人は幼いときから自身の顔を触るようになり、そのことは習慣になるようです。したがってこの行為をなくすことは非常に難しいのです。

人間の無意識の習慣を意識化して改善し、これを習慣化すれば良いかもしれませんが、言うは安い、行うは難しといったところでしょうか?

習慣を変えるのではなく、手洗いをするという新しい習慣を身につけてしまう方が簡単かもしれません。


参考文献(References)

1)森功次, et al. “Norovirus の代替指標として Feline Calicivirus を用いた手洗いによるウイルス除去効果の検討.” 感染症学雑誌 80.5 (2006): 496-500.

2)Kwok, Yen Lee Angela, Jan Gralton, and Mary-Louise McLaws. “Face touching: a frequent habit that has implications for hand hygiene.” American journal of infection control 43.2 (2015): 112-114.

3)Grunwald, Martin, et al. “EEG changes caused by spontaneous facial self-touch may represent emotion regulating processes and working memory maintenance.” brain research 1557 (2014): 111-126.


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