コロナ重症化 血液で予測?

Corona aggravated Predicted by blood?

出典:千葉大学Press Release

9月4日(金曜日)に千葉日報の一面に、新型コロナの重症化が血液で予測できるかもしれないとの記事が掲載されていました。

以下、新聞の記事の引用になります。

凝固特性に着目

新型コロナ重症患者の多くに血液の凝固が見られることから、血栓に起因する血管炎や気道炎症の重症化と関連があるMyl(ミル)9と呼ばれる血小板由来のタンパク質に着目。新型コロナの重症化にもミル9が関与し、重症化する前には血液中にミル9の上昇が見られるとの仮説を立て、臨床研究を始めた。

各医療機関の入院コロナ患者計100人から週に1回採血して、血液中のミル9濃度を計測する。9月初旬には50人分程度が集まる見込み。解析は千葉大大学院医学研究院(中山俊憲院長)が行い、ミル9の濃度変化や軽症者と重症者の違いを分析して、重症化マーカーとしての実用性を判断する。

記者会見した研究代表者の中山院長は「重症化が予測できれば、患者さんはより早期に適切な治療を受けることができる。いまの社会的困難な状況を乗り切ることを考え、総力を挙げて研究を進めたい」と抱負を語った。

研究実績生かす

血管に炎症が起きる川崎病や潰瘍性大腸炎などは、ミル9との関連が判明している。海外で川崎病の症状に似たコロナ患者の報告例があったことから、ミル9研究で実績のある同研究院が今回の臨床研究に手を挙げた。

また、ぜんそくや腸炎を対象としたマウス実験で、ミル9に対する抗体を投与すると症状の改善が見られる。新型コロナの重症化とミル9の関係性が判明した場合、中山院長は「重症化の危険性がある患者に(ミル9の)抗体を投与すれば、重症化を防げるとの展望を考えている」とし、抗体治療の可能性にも言及した。

極めて重要

臨床研究について横手病院長は「重症者の早期発見や早期治療の道筋を付けることは極めて重要」と意義を語る。第一線でコロナ患者の治療に当たる同病院の中田孝明救急科長は、コロナ感染の現状を「第2波は地域(都道府県)ごとに差があり、千葉県内はピークから下がりつつある。今後の見通しは誰も予測できないが、第何波でも起こるだろうと予測されているのも事実」と話した。

臨床研究には千葉大病院をはじめ、重症患者の受け入れ実績がある国際医療福祉大成田病院や君津中央病院など県内10医療機関と、血液サンプルを持つ順天堂医院(東京)の計11機関が参加している。

9月4日 千葉日報

参考資料

1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における重症化予測マーカーの探索に関する臨床研究を実施します

2)コロナ重症化、血液で予測 千葉大病院など臨床研究スタート 早期治療、現場負担軽減へ


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