2月の診療予定のお知らせ
Notice of February medical treatment schedule
Photo by Jonas Vandermeiren on Unsplash
2月10日(木)2月24日(木)は診療いたします。あとは、通常通り木曜日と日曜日が休診日になります。
年末まで穏やかな日本でしたが、年が新たになるやオミクロン株が猛威をふるい始めました。そして、まん延防止や緊急事態等のワードが囁かれ始めました。
当然、また効果が不明瞭な人流抑制作戦なのかと、国民は、科学的根拠のないこの対策に不快感や不信感を抱いています。
第5波の際には、急激に感染者が増加すると、打つ手がないので「自分の身は自分で守れ」と専門家と称する人たちが言ったことを思い出します。その後、人流は減少していないのに感染者が減少し始め、あれよあれよという間に、感染者がほとんどいなくなったのを経験したからです。
この際に、国民は、感染症等の専門家はいるが新型コロナに対する専門家はいないのだと知らされました。当たり前と言えば当たり前のことです。人類が初めて経験することなので、専門家などはいないのです。その後、人流抑制しないのに減少した理由については、科学的な根拠に基づく説明はされてません。
ところで、検討はされていませんが、今まで経験した第1波から第5波を見る限り、2ヶ月ぐらいするとピークを迎え、そして減少しています。
ちなみに、この現象は、ほとんどの国においてほぼ共通してみられる現象の様です。
もともと、人流抑制は、100年前のスペイン風邪当時のワクチン等がない時代の対策なので、すでにワクチンや治療薬が開発された現在においては微妙な対策ではないかと思われます。
もし、今まで行ってきた人流抑制による対策をまた行うと、今度こそ、飲食店や事業者に死刑宣告をすることになってしまいます。
諸外国に目を向けると、オミクロン株が重症化しないことから、ほとんどの国が経済を回すことにシフトしており日本も人流抑制ではなく違う対策を行う転換期が来ているように思われます。
さらに、感染力が物凄いオミクロン株に対しては、現在行っているワクチンはイマイチ予防効果はなく接種していると重症化しにくいという見解です。
しかしながら、国の政策はブースター接種を前倒して行うことにシフトしています。国民は、3回目の接種を受けることになるでしょう。
ところで、本当に3回目の接種は必要なのか?疑問に思いちょっと調べてみました。
オミクロン株が発祥の南アフリカは現在どうなっているのか?
まず、オミクロン株が発祥した南アフリカの様子を見てみました。
図1に示すように、ワクチン接種率は、約30%にも関わらず、図2に示す様に、感染はピークを過ぎ減少傾向になっています。ピークに達するのに、今までの波とは異なり期間が短く1ヶ月程でピークを迎えてしまっています。これは、感染力が強いためウイルスの特性であるエラー・カタストロフの限界によって自壊してしまうからなのでしょうか?
現時点で明白なことは、ワクチンの接種率が国民の約30%でも、3回目の接種がなくても、感染者数は1ヶ月でピークを迎え、すでにピークアウトしていることです。
この現象は、日本にも同様に起こるのか?
アフリカは、高齢者が日本に比べて少ないので単純に比較するのは難しいかもしれません。
日本では?
全国で、最初に感染拡大した沖縄県の様子を見てみると、濃厚接触者となった多くの医療従事者が欠勤を余儀なくされ、医療体制の維持に支障が生じていることが報道されていました。病院が機能しなくなれば、当然、自宅で療養しなければなりません。さらに、介護や保育など社会生活に必要な業種でも、同様の現象が起こることは必然です。
このような状況になることが予想されるとしたら、ワクチンの接種は、まず、高齢者や基礎疾患がある方やエッセンシャルワーカーの方が接種を行い、それ以外の人も、社会インフラを考えると積極的にしたほうが良さそうです。
ところでオミクロン株にワクチンは効果があるのでしょうか?
オミクロン株に対するワクチンの効果?
英国健康安全保障庁は、236,023人のデルタ患者と760,647人のオミクロン患者から、ワクチンの効果(2回接種後と3回接種後)を検討しています。1)
BNT162bがファイザー製のワクチンでmRNA-173がモデルナ製のワクチンです。
2回接種の場合、どちらも、デルタ株に対しては、25週まで高い予防効果を示していますが、オミクロン株に対しては接種して4週を過ぎると予防効果は著しく低下してしまいます。7ヶ月経過するとほとんど効果はありません。ブレークスルーするのも仕方ありません。ところがブースター接種を行うと予防効果は著しく上昇します。
デルタ株ほどの予防効果はありませんが、やはりブースター接種は行ったほうが良さそうです。
まとめ
オミクロン株の感染力は凄まじい
ワクチンの予防効果は、オミクロン株に対してはデルタ株ほど有効ではない
19日のTV報道では、政府分科会の尾身会長の発言と小池都知事の発言では対策に温度差が見られました。尾身会長は「人数制限」小池都知事は「人流抑制」との発言、リーダーの対策に統一感がありません。
小池都知事は、今までの対策と変わりはなく、2年前の放送を見ている様でした。
政府分科会は、今までの5波までの対策の総括等は全く行っておらず、科学的根拠が国民に提示されていないのにも関わらず、政府分科会の代表である尾身会長から「人数制限」との発言でした。
この様に、リーダーもカオス状態です。ワクチンのブースター接種に関してもオミクロン株の出現によって微妙な感じになってしまいました。ちなみに、4回目の接種を行ったイスラエルからまだ初期段階であるが、ワクチンはオミクロン株に対して効果は不十分というニュースが報道されました。
抗体価が上がるという観点から考えるとブースターショットは良い作戦のように思われますが、何せ、かつて人類は短期間に同種のワクチンを何回も接種したことはありません。体の免疫反応がどのように変化するのか危惧されます。
オミクロン株は、感染力が凄まじいため、それに伴い医療資源や社会インフラ等の対応を考えないといけません。早く終息することを願うばかりです。
参考文献
1)SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 34
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