新型コロナ対策の今後の方針
Future policies for new corona measures
出典:How testing for Covid-19 works
3月19日の専門家会議により、政府や国民に対する提言がなされました。
内容を要約すると、
突然爆発的に患者が急増(オーバーシュート(爆発的患者増))が起こると、医療提供体制に過剰な負荷がかかり、それまで行われていた適切な医療が提供できなくなります。
この様な状態になると、ヨーロッパ諸国で行われている一定期間の不要不急の外出自粛や移動の制限(いわゆるロックダウンに類する措置)が発動されることになります。
専門家会議は、このような事態を回避し、できるだけ被害を小さくするための提案として、政府や国民の皆様などには内容をご理解いただき、我が国の被害を少しでも減らすための政策や行動をお願いしたいと言うものでした。
日本はうまく抑え込んでいる!
図5をご覧いただくとヨーロッパ諸国の指数関数的に患者数が増加しているのに比べ日本とシンガポールは緩やかなカーブを示しています。
シンガポールが極めて低いのは、『明るい北朝鮮』と言われるぐらいの一党支配の独裁政権のためにできているのではないかと推測されます。
それに比べ日本政府の感染対策が今のところシナリオ通りになっていることは、称賛に値すると思われます。
この状態についてWHOからお褒めの言葉をいただいている事はすでに承知の事と思います。
医療崩壊が起きてしまう場合
日本のある特定地域(人口 10 万人)に、現在、欧州で起こっているような大規模流行がロックダウンの措置を行われなかった場合
北海道大学西浦教授の推計によれば、図 6 のとおり基本再生産数(R0:すべての者が感受性を有する集団において1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)が欧州(ドイツ並み)のR0=2.5 程度であるとすると、症状の出ない人や軽症の人を含めて、流行 50 日目には 1 日の新規感染者数が 5,414 人にのぼり、最終的に人口の 79.9%が感染すると考えられます。また、呼吸管理・全身管理を要する重篤患者数が流行 62 日目には 1,096 人に上り、この結果、地域における現有の人工呼吸器の数を超えてしまうことが想定されるため、広域な連携や受入体制の充実を図るべきです。
厚生労働省
ただし、もちろん今回の推計に基づき各地域ごとに人工呼吸器等を整備するべきという趣旨ではなく、今回示した基本再生算数がもたらす大幅な感染の拡大が生じないよう、クラスター対策等強力な公衆衛生学的対策を講じることで、これから各都道府県が整備しようとしている医療提供体制を上回らないようにするべきです。(各地域で整備すべき医療提供体制についての考え方は6で示すとおり)
なお、オーバーシュートが生じる可能性は、人が密集し、都市としての人の出入りが多い大都市圏の方がより高いと考えられます
ボトルネックは人工呼吸器
国会でも、人工呼吸器について議論されましたが、人工呼吸器は新型コロナの患者さんにのみ使用されるものではありません。しかしながら、もし新型コロナで重篤になったときはお世話になるものです。その際に数がなければ装着は不可能です。そのためにも供給が可能な状態にしないとならないのです。
人工呼吸器の数についてはこちら
医療従事者の保護
Piron Guillaume医学雑誌Lancetに21日に、COVID-19: protecting health-care workersが掲載されました。
世界的に、何百万人もの人々が新型コロナの感染を最小限に抑えるために家にいるなか、医療従事者は、COVID-2019から高いリスクにさらされます。中国の国家健康委員会の数字によると、3300人以上の医療従事者が3月上旬に感染し、地元メディアによると、2月末までに少なくとも22人が死亡しました。
イタリアでは、対応している医療従事者の20%が感染しており、一部は死亡しています。医療スタッフからの報告は、感染リスクに加えて、肉体的および精神的疲労、困難なトリアージ決定の苦痛、患者や同僚を失う痛みです。
機械は、増産すれば何とかなります。24時間稼働することも可能でしょう。しかし、医療関係者を急遽、増産する事はできませんし、24時間働く事はできません。医療従事者を保護しないといけません。医療崩壊を起こしてはいけません。
やってはいけない3密
密閉空間
密集場所
密接場面
最も感染拡大のリスクを高める環境として
(①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という 3つの条件が同時に重なった場)での行動を十分抑制していただくことが重要としています。
大勢の人が地方から集まる室内でのイベントはNGと言う事です。
クラスターの発生は、オーバーシュートを発生させ、医療崩壊を発生させてしまう可能性があります。
まとめ
クラスター発生をさせない行動をとる
感染予防の手洗いの励行
感染予防の歯磨の励行
新型すなわち未知のウイルスに対しては、ワクチン等がありません。したがって非医薬品介入しか方法がありません。
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