噛むことと認知症

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口腔状態が悪化すると、食べることや飲み込む動作が簡単に行えなくなります。その結果、栄養の摂取ができなくなります。
十分に栄養が摂取できないと、筋肉がなくなり、運動不足に陥り、運動能力の低下やそれに伴う認知症の進行が発生する可能性があります。

高齢者フレイル(フレイルに関してはこちらを参照してください。)の始まりです。我々、歯科関係者は、オーラルフレイルという形で口腔内のプレフレイルを見定めて、患者さんがフレイルの状態にならないようにすることが必要と思われます。

認知症は、オーラルフレイルが起こるから発症するのか?はたまた認知症になるからオーラルフレイルになるのか?

オーラルフレイルを「噛むことと認知症」という観点からフォーカスしてみました。

噛めなくなると認知症が進行する

結論から言うと、「噛むことができなくなると認知症は進行」します。認知症になると薬物療法が行われることは多くの方に認知されていることですが、薬物療法と一緒に噛むことを改善することを行うことは、あまり認知されていません。

ところがです・・・

認知症の治療はまず口腔内チェックから始まる


現在では、認知症治療を行っている有名な医院では歯科のチェアーが導入されています。口腔内をチェックし、良好な状態にしてさらに噛める状態にするように努めます。

これは、噛み合わせを適切にすることや口腔内を適切な状態にして咀嚼できるようにすることにより、口腔領域からの情報が脳に行くようにして脳を活性化するためです。

これらを行うことで認知症が改善する場合があります。

なぜ改善するのか?

口腔領域から脳に行く情報は多い

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食事をしている時には、食品の硬さや性状や温度や味等の色々な情報が脳に送られています。改めてよく考えてみてください。

毎日食べている食品は、均一なものではありません。硬さや大きさがバラバラの物を噛むことによって食感や味覚を味わい、至福のときを過ごしています。

この際には、舌や頬も絶え間なく動いています。舌を動かす筋肉や顎を動かす筋肉に関係している神経や味覚を感じる神経からの情報さらに歯根膜からの情報が脳に伝えられ、刻々と変わる口腔内の状況に合わせて咀嚼に関する器官を活動させて咀嚼して嚥下しています。

例えば、食品の中に石とか変な物が入っていると瞬時に噛むことをやめて異物を噛まないようにして体に入れないようにしています。

物を食べることや噛むことは脳にたくさんの情報を送りながら行われています。このことで脳が活性化するのです。言い方を変えると物を食べたり噛むことは脳をすごく刺激することになるのです。

つまり噛むことは脳を活性化するにはもってこいなのです。認知症の治療に口腔領域の機能が正常に行われているかチェックするのはそのためです。

口腔領域は、たくさんの脳神経の支配下にある!

図1

医療関係者は学生の時に脳神経12対を「嗅いで見る動く車の三の外、顔耳のどに迷う副舌」の語呂合わせで記憶しませんでしたか?私たちの脳底からは12対の神経が末梢に出ています。

これらの神経のうち三叉神経、顔面神経、舌咽神経、舌下神経、広い意味で嗅神経、迷走神経、副神経の7つの神経が口腔領域に関与していると言われています。

12の神経のうち7つもの神経が口腔領域に関与しているのです。さらに、神経核は、中脳、橋、延髄の原始脳に由来しています。原始脳は生命維持に関係している脳の部分です。

改めて考えてみると、食物を食べないと我々人間は生きていくことができません。生命維持の根元に関与するその入り口である口腔領域に、神経がたくさん関与していることは当たり前なのかもしれません。

口腔領域は2番目に敏感!

図2

図2に示したものは、大学の学生時代に生理学の本で初めて見たなんとも奇天烈な図です。体性感覚のページにあったような記憶です。あまりに奇天烈なものなので記憶にあるのでしょうか?

これは、今から80年以上前にカナダの脳外科医ペンフィールドによって、てんかん患者の手術部位の決定に際し、ヒトの大脳皮質を電気刺激し、運動野や体性感覚野と体部位との対応関係をまとめたものです。

感覚野(体からの触覚情報を受ける部分)と運動野(体を動かすための指令を出す部分)に分けて、体の各部位からの入力が、感覚皮質のどの部分に投射されているかを示したものです。

描かれている顔や体の絵は、各部位からの入力が、どれくらいの領域に投射されているか、その面積比を表しています。

図中の緑色の部分が口腔領域が関係している部分です。手の次に2番目に広い面積を示しています。

図3

図3のエイリアンみたいな人形は、図2のペンフィールドのマップを基に3次元的に人間にしたホムンクルスを示します。これをご覧いただくとさらに口腔領域がいかに大きな面積を占めているかがわかりやすいと思います。

手が1番で口腔領域が2番目に大きいのがひと目でわかります。

昔から、手を使う職業の芸術家や職人の方は、幾つになっても若くて認知症になりにくいと言われていました。これは手を使って脳を活性化しているからです。

とは言っても、口を使って物を食べて、エネルギーを摂取しないと手も動かすことは出来ません。

料理を作ることは認知症予防・・・

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ちょっと脱線しますが、脳を活性化させるには、手を動かして、口を動かすことなので、料理を作って食べることが非常に有効と言われています。

つまり、料理を作るには、まず何を作るか考えなければいけません。さらに食材を購入してきてそれを手を使って料理しなければなりません。

さらに、作った美味しい料理をよく噛むことによって会話をしながら口腔領域の筋肉を動かすことが脳を活性化することになります。ある意味では、料理を作って食することは、認知症予防には最適かもしれません。

脳細胞が自殺してしまう!

皆さんは、廃用性萎縮という言葉を聞いたことがあると思います。例えば、骨折して足を動かさなかったら足の筋肉が痩せて細くなった場合がこれに相当します。この場合は、また筋肉を使うことである程度、回復します。

これと似たようなものに「アポトーシス(apoptosis)」というものがあります。

アポトーシスは、廃用性萎縮とはちょっと違い、細胞が個体をより良い状態に保つために自ら死んでしまう状態です。脳細胞が自殺してしまうのです。この場合は先ほどとは違い、元に戻ることがありません。

アポトーシスとは?

アポトーシスとは、細胞の自然死のことを指します。
Apoptosisの語源はギリシャ語の「apo-(離れて)」と「ptosis(下降)」に由来していて、「(枯れ葉などが木から)落ちる」という意味を持っています。
個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺つまりプログラムされた細胞死のことです。
例えばオタマジャクシからカエルに変態する際に尻尾がなくなるのも、人の指が形成される過程(はじめは指の間が埋まった状態で形成し、それから指の間の細胞がなくなり手指が作られる)も、すべてアポトーシスによるものです。

これに対して、血行不良や外傷などによって細胞内外の環境が悪化することによって起こる細胞死のことを、ネクローシス(necrosis)と呼んで区別します。臨床で細胞が壊死した時に略して「ネクル」と言いますねぇ。

海馬がアポトーシスを起こす

神経細胞は、長い間情報を受け取らないと自ら必要なくなったと判断しアポトーシスを起こしてしまいます。このアポトーシスが海馬で起こることがマウスの歯を削って噛めなくしたものと正常なマウスの比較の実験で確認されています。

海馬の働きについてザックリ説明すると、海馬は、記憶に関することを担当しています。

わたしたちの記憶は、一度、海馬に集められます。一度整理され、印象に残ったことなどは長期記憶として大脳皮質に残され記憶されます。詳しくは、記憶する方法を参照してください。

改めて、海馬がアポトーシスを起こすことは何を意味するか?記憶ができなくなる認知症の始まりを意味します。ちなみに認知症の初期症状は、新しいことを覚えることができなかったり、思いだすことができない症状として現れます。認知症の初期の患者さんは、長期記憶として大脳皮質にファイルされた昔の記憶はちゃんと覚えているのです。

悲しいかな、身内の高齢者で上記の症状、昔のことは覚えているが最近のことやちょっと前のことを覚えていないという状態を何度となく体験しています。

人間での調査結果あり

「高齢者の歯、および口腔状態が認知症発症に及ぼす影響に関する調査研究検討委員会」のプロジェクトとして実施されました。

健康な高齢者は平均14.9本の歯が残っているのに対して認知症の疑いがある人の平均は9.4本と少なく、さらにMRIを行うと脳の海馬付近と前頭葉の容積が減って萎縮していることが認められました。

噛むと脳が活性化する?

図4

噛むと脳の前頭連合野が活性化することがガムを噛む実験で確かめられています。

脳の連合野について

大脳皮質のうち、運動野や感覚野といった機能のはっきりした部位を除いた部分です。

大脳皮質の他部位のほか、視床や視床下部などともたくさんの神経回路により連絡をもち、高度な神経機能に関係するといわれています。

動物が高等になるにしたがって連合野が広くなり、ヒトでは大脳皮質の約3分の2を占めています。

運動野や感覚野と連絡する連合野が、精神機能、言語機能、認識などに関係し、前頭葉の連合野は意欲や創造的な精神作用に関係しています。

ちなみに、連合野は5区あり、人間らしい部分を支えていて認知機能と最も深く関係している部分です。

噛むと脳がすぐに活性化する!

図5

図5に示すように、噛むことによってすぐに脳の特定の領域の血流量が増加することが明らかとなりました。

特定の領域とは?

その特定の領域とは、図5に示すように、主に大脳皮質の運動野と感覚野(smc)で、その他に島(i)、小脳(c)、捕捉運動野(sma)、そして視床(t)です。噛むことによってこれらの領域の血流量の増加がみられます。

このことは、噛むことにより脳が活性化されると考えることができます。

高齢者は前頭連合野が顕著に活性化

図6

さらに、面白いことに、年齢別、つまり若年者と中年と高齢者で活性化をみてみると、図6に示すように、高齢者ほど前頭前野が噛むことによって活性化されるのです。

前頭前野は人を人たらしめ、思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられています。一方老化に伴って最も早く機能低下が起こる部位の一つでもあります。

噛むことによって高齢者の前頭前野が刺激されることで機能低下を遅らせることや認知症予防が可能なことが容易に想像できます。

噛むことは脳梗塞も予防する

認知症の原因の一つに脳梗塞があります。(「歯周病予防は全身疾患予防?②」を参照してください。)噛むことで脳が活性化されて認知症が予防されても、脳梗塞になってしまったら意味がありません。

ところが、噛むことで脳梗塞も予防できることがわかりました。

噛むことでアディポネクチンが増える

アディポネクチンは、脂肪細胞が特異的に分泌する生理活性物質の一種で、高血圧や高血糖や脂質がアンバランスになった、いわゆるメタボリックシンドロームによってダメージを受けた血管を治す働きをする善玉物質として注目されています。

働きをザックリ説明します。

アディポネクチンには傷ついた血管を修復したり、マクロファージの血管壁への接着やLDLの貪食を抑制するなどの有用な働きがあります。さらに、インスリン感受性を高めてインスリンの分泌を節約して糖尿病を防ぐ働きをします。

それなら、太って脂肪細胞を増やせばいっぱい分泌されると思いますが、この物質は内臓脂肪が増えれば増えるほど、その分泌が低下し血液中の濃度が低下してしまいます。

ところが噛むことで、アディポネクチンの血中濃度が上昇するのです。

噛むことで悪玉のPAI・1が減少する

PAI・1(パイワン/プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター・1)が減少する。

この物質は、血小板と結合して出血している部位を修復する働きがありますが、過剰に分泌されると血栓ができやすくなり、その結果、脳梗塞を起こす可能性が高くなります。

噛むことで、PAI・1が減少することがわかりました。

様々な実験から、噛むことは非常に重要なことがわかったので、

次は、噛むこととして「咀嚼回数について」フォーカスしてみます。

現代人は咀嚼回数がめっきり少なくなった!

表1

噛むことが大事だというプロパガンダとして歯科関係者あるいは世間でも認知される様になった8020推進財団が作った「卑弥呼の歯がいいぜ」の標語ですが・・・

表1に示すように、卑弥呼が生きた時代は、咀嚼回数は現在より約6倍ほど多かったと言われています。

噛むことの効用を咀嚼回数が多かった弥生時代の卑弥呼にかけて標語を作ったのではないかと思われます。しかしながらこのことは裏付けがないのであくまでも想像の範囲での話です。

改めていうまでもありませんが、咀嚼回数が少ないものとは、軟らかい食品のことになります。

軟らかい食品でNG食品とは?

軟らかいNG食品

咀嚼回数という観点から、軟らかいNG食品として有名なものも標語になっています。覚えておくと役にたつかもしれません?

「おかあさんやすめ」「ははきとく」です。

おかあさんやすめ

お:オムレツ

か:カレー

あさん:サンドイッチ

や:焼きそば

す:スパゲッティ

め:めん・ラーメン

ははきとく

ハ:ハンバーグ

ハ:ハムエッグ

キ:餃子

ト:トースト

ク:クリームスープ

ざっと見てみると子供が大好きな食品で、さらに、大人もよく食べている食品です。最近の食生活は、軟らかい食品が多く問題になっているのも事実です。

軟らかい食品ばかり食べていると、噛むための筋肉や顎骨が発達しなくなり、その結果、歯並びが悪くなり、かみ合わせも悪くなり、唾液等が出なくなり、虫歯や歯周病になる、負のスパイラルに陥ってしまうことは容易に想像できます。

実際、昔に比べ、子供の顎の発育が悪く、歯列不正等を臨床で実感しています。

そこで、負のスパイラルから抜け出す食品をご紹介します。

お勧め食品

これも標語になっていて結構知られていますのでご存知の方も多いと思います。「まごわやさしい」

まごわやさしい

ま:豆、味噌、豆腐

豆は、植物性タンパク質を補ってくれる食材で、特に大豆はタンパク質、ミネラルが豊富

ご:ごま、ナッツ類

ビタミンEがたっぷりで、ごまをかけることで、コクと風味がアップ

わ:わかめ(海藻類)

海藻類は、人にとって理想的なミネラルの宝庫。酢や油と組み合わせると栄養の吸収がアップ

や:野菜

βカロテンやビタミンC、食物繊維など、現代人に不足しがちな栄養を補ってくれます。

さ:魚

DHAやEPAも豊富で、最近はサバ缶が注目されています。

し:しいたけ(キノコ類)

食物繊維が豊富で腸内環境を整えたり、たっぷり食べても低カロリーなので魅力です。

い:芋

イモ類に含まれる炭水化物は、精製されていないので体にいい成分がそのまま、さらに糖質やビタミンC、食物繊維の摂取も可能になります。

日本人は、米を主食に、野菜、海藻、魚介類等を使った副食という食生活を行ってきました。しかし海外からの食生活が入ってきたことで食生活が多様化し、その結果、生活習慣病などが増加してしまいました。最近は、伝統的な日本食が外国でも認められ、ユネスコ無形文化遺産に日本食が登録されたぐらいです。

日本食に使われている食品の頭文字をとって標語にしたのが「まごわやさしい」です。

日本食は、栄養バランスに優れた健脳食なのです。ただし、「よく噛むこと」が前提になりますのでお忘れなく!

柔らかい食品は脳の特定部位に異常を発生させる?

図7

図7の様に、軟らかい食品ばかり食べていると脳の海馬で「神経新生」が行われなくなるという実験結果があります。

神経新生とは?

神経細胞のもととなる神経幹細胞が、神経細胞へと分化することを神経新生と呼びます。

ヒトを含めた哺乳類の場合、神経新生は主に胎生期から幼年期にみられます。一方、成体の脳には神経幹細胞は存在せず、新たな神経細胞は産生(再生)されないと最近まで考えられてきました。

要するに、ある年齢になると脳では神経は新生されず、高齢になると脳細胞が少なくなるという考え方で、この定説は、長い間ドグマのごとく信じられてきました。

しかし成体でも、脳の限られた領域(側脳室周囲ー嗅球および海馬)でのみ神経新生が一生涯にわたって起こることが、近年、明らかになりました。

中でも海馬は記憶・学習に重要な領域の一つであるため、ここでの神経新生が記憶・学習過程に深く関わっていること、また、うつ病やアルツハイマー型認知症などの精神・神経疾患において、海馬での神経新生が低下することもわかってきました。

つまり、柔らかいものばかり食べていると神経新生がスムーズに行われないので、うつ病や認知症と同じような現象が海馬で起きてしまうというものです。

神経新生に関する面白いビデオがあります。神経新生に良い食べ物等にも触れていますので興味のある方はご覧ください。

硬いものを食べればいいのか?

図8

それなら、硬いものを食べれば神経新生がおこるのではないかと考えるのが妥当ですが、実はそんなに簡単な話ではない様です。

普通の硬さのガムを噛んだ時と硬いガムを噛んだ時の脳の活性化について調べた実験があります。

硬いガムを噛めば脳がもっと活性化すると考え、硬いガムを噛ませた実験をしたところ、図8に示す様に、予想とは反対に、小脳しか活性化が高くなりませんでした。このことは、単に硬いものを噛ませても脳の活性化は起こらず、適度の硬さのものの方が脳が活性化するということを示すものになります。

つまり、脳の活性化を促進させるためにただ硬いものを噛ませればという考えはどうもNGの様です。

食習慣を変えることができない人にお勧めな方法!

脳を活性化するには噛むことが非常に良いということがおわかりいただけたと思いますが、実生活で食事に時間をかけて噛むことを意識するような生活習慣にチェンジするのは難しいと思われる方には

ガムを噛むことをお勧めします。

ガムならちょっとした隙間時間に噛むことが可能です。また、ガムは、1枚を噛むのに平均550回噛むといわれています。ガムを1枚噛むだけで日本人の平均の1回の食事での咀嚼回数に近い回数まで到達します。

一日3回しかも食後に噛めば約1500回噛むことができ、ガムを噛むことで唾液が分泌されて、虫歯予防も可能になります。

さらに、喫煙者は、禁煙を行うことも可能になります。

ガム噛みはお勧めです。

余談ですが・・・

上記の写真は、近くの患者さんのお店で撮影しました。その際に店主が教えてくれたのですが、最近は、ガムはあまり売れなくなり、どちらかというと舐めるものの方が売れ行きがいいそうです。

店主曰く、噛むことより口臭等を抑えてくれる商品が売れ行きがいいとのこと、さらに、写真をみてもお判りのように、売れないコーナーに陳列してあるにも関わらず、ガムでもストレスを解消するものや記憶力をアップと銘打っている商品は売れ行きが良いとのことでした。

改めて、噛むことの効力について認知してもらうことの必要性を実感しました。

まとめ

噛める状態にして海馬を刺激し認知症の予防

高齢者ほど頻繁に口腔内をチェック

咀嚼回数を増やすと海馬を刺激できる

ガム噛みはお勧め

歯科検診で認知症予防

口腔領域からの情報、特に噛むことによる情報が適切に脳に行くようにすることで脳が活性化されることがいろいろな実験で確かめられています。

噛める状態が脳を刺激して認知症の予防になります。

予防的に普段から歯科医院を受診することや訪問歯科にて口腔内の管理が必要です。また、口腔内の管理を怠ると高齢者は、フレイルの状態になりやすいといわれています。高齢者になればなるほど口腔内を管理して噛める状態にしてフレイルを起こさないよう予防することが必要で、これが認知症の予防にもなるのです。

高齢になったら口腔内のチェックをお忘れなく!

認知症予防歯科検診を!


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追記

図1は下記より引用し改変いたしました。

Brain_human_normal_inferior_view.svg: Patrick J. Lynch, medical illustrator File:Brain human normal inferior view with labels en.svg derivative work: Beao derivative work:was_a_bee – File:Brain human normal inferior view with labels en.svg

図4、5、6、8は下記より引用し改変いたしました。

M. Onozuka et al. (2003). Age-related changes in brain regional activity during chewing : A functional
magnetic resonance imaging study. J Dent Res, 82(8), 657-660.

M. Onozuka et al. (2002). Mapping brain region activity during chewing : A functional magnetic
resonance imaging study. J Dent Res, 81(11), 743-746.

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