感染抑制能を有するVHH抗体
VHH antibody capable of suppressing infection
北里大学新型コロナウイルスの感染抑制能を有するVHH抗体を取得！
北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学I 研究室片山和彦教授ら及び、株式会社Epsilon Molecular Engineering（社長・根本直人、以下EME）、花王株式会社（社長・澤田道隆）安全性科学研究所の研究グループは、新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）に対して感染抑制能（中和能）を有するVHH抗体の取得に成功しました。
この研究成果は、新型コロナウイルス感染症の治療薬や診断薬の開発に繋がることが期待されます。
VHH抗体とは？
ラクダ科動物（ラマ、アルパカ等）はH鎖のみで構成される抗体（重鎖抗体）を有し、その可変領域はVHH（variable domain of heavy chain of heavy chain antibody）抗体と呼ばれます。VHH抗体は温度やpHなどに対し高い安定性を持ち、微生物での低コスト生産も可能です。
これからの展望
利用用途は幅広く考えられます。例えば、マスクへの抗体の練りこみ、空気清浄にの再生可能なフィルターへの応用、当然ですが薬や抗体検査等に応用が可能です。実はすでにいろいろ応用がされています。
新型コロナウイルスにも、マスクや薬や抗体検査等への応用が楽しみです。
参考文献
1)岸本聡, and 伊東祐二. “ラクダ科動物重鎖抗体由来の抗原結合ドメイン VHH の医療技術への応用.” MEDCHEM NEWS 27.1 (2017): 35-41.
