認知バイアス
Cognitive-bias
認知バイアス
物事を判断したり決定する場合は、できるだけ公平かつ合理的に行うように誰しもしていると思いますが?判断を下すものが個人の場合はさほど問題は生じませんが、これが大きな集団、例えば国家レベルになるととんでもないことになることは言うまでもありません。例えば、現在、世の中で良いと思われているものでも全くよくないものもあるということです。ご自身で情報を入手して調べて見る必要があると思います。
物事を決定するときは、決定事項に関する「良いとされる情報」と「悪いとされる情報」を入手して、固定概念にとらわれず考え方に偏りが無いことが非常に大切です。考え方の偏りを英語でbiasと言いますが、これが生じないためにバイアスのことを理解しておいたほうがいいと思います。代表的なバイアスは下記の図に示すようなものがあります。
確証バイアス
確証バイアス(Confirmation bias)とは、自分の信じる考えを支持する都合の良い情報ばかりが目に入りやすく、逆に、都合の悪い情報には目を背けるという心理的な偏り(バイアス)のことを言います。人間の判断は無意識的に、この確証バイアスの影響を受けているのです。
「知識は力」で有名なフランシスコ・ベーコンは400年前にすでにこのようなことを述べています。
「人間は、いったん一つの見解を受け入れてしまうと、その見解を支持しその見解に賛同するあらゆるものを引き寄せる。そして、その見解と逆の立場にある、より多くの、より重要性の高い事実があっても、なお、そういった事実を無視したり見下したりする。さもなければ、何か間違いを持ち出して脇に追いやったり拒絶したりする。こうして、自身のもつ”権威ある結論”が無傷のままでいられるようにする」
医学的に見てみると
MRI画像を用いた実験により、ヒトは、自身の見解を否定するような情報を見つけると、脳の情動中枢が活性化することが分かっています。
すると、手のひらに汗をかき、瞳孔は開き、血圧が上昇し、心拍や呼吸が速まります。医学的には交感神経が優位になった状態です。
そして情動中枢が活性化すると、代わりに理論的で思慮深い脳の部位は沈静化してしまいます。
こんな状態では、その情報を冷静に判断することは不可能です。
そうやって、自身に都合の悪い情報に対しては、論理的に考えることをせず、嫌悪感によって跳ね除けて、最たる人は、その人のことを「あの人は変だよ」とか「ちょっと変わってるねぇ」とか言って否定をすることを行います。
この行為は、脳の性質によるものです。脳は自分の存在を明らかにするために自分が一番と思っています。
大切なことは、このことを十分認知し、他人のいうことも聞く耳を持つことです。自分と違った意見にこそ大事な真実が含まれているかも知れません。